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Hauser1967B.JPG   Hauser1967.JPG  

 

表面板の裏世界,今回覗いたのは1967年製のハウザー二世です。

この楽器は表面板はジャーマンスプルース、そしてサイド・バックはハカランダですが特にこのハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)は柾目の虎目と言える素晴らしいものを使用しています。塗装はセラックからラッカーに替わっています。重量(弦を張った状態)は1560gと前回、ご紹介した1958年製のハウザー(1420g)より1割程、重くなっています。そしてブレッシングは下部のV字型のストラッツ(力木)がなくなっています。どのような意図でこれを廃止したかはわかりません。もしかしたら表面板を厚くした事が影響しているかも知れません。音は前回、ご紹介した1958年ハウザーより倍音が少なく、手元ではあまり鳴らないような感じがします。低音は太い音ですが1958年製ハウザーのようなドーンと言う鳴り方はせず普通...。そして高音は鋭い感じで濁りがありません。2弦、3弦のハイポジションは58年ハウザー同様サスティーンが長く深遠な響きが感じられます。張りは 強めです。但し1970年代中期以降のハウザー程強くありません。総じて「あまり鳴る楽器ではないなぁ..」と感じられ方が多い様です。ところが、ホールで聴いた限りではこのハウザーの音が断然遠くまで通ります。いわゆる遠達性が1958年製ハウザーより優れているように思います。これは先般、「聴き比べ」と称して、小音楽堂「夢奏庵」にてあるプロギタリストに同じ曲を楽器を代えて弾いていただき、何名かで聴き比べ、全員一致の結果でした。明らかに遠達性を重視した設計に変わってきています。

さて、この楽器が製作された頃はクラシックギターが一大ブームとなった時代でした。セゴビアがラミレス三世を使用し世界中の大ホールでのコンサートを行い人気を博していた頃です。ラミレス三世に代表されるように、この頃のギター製作家はコンサートホールで通用すべく、音量の増大や遠達性能を重視していように思われます。ハウザーもまた、このような市場の趨勢に迎合すべく設計変更していったのかも知れません.......

ところで、この遠達性つまり遠くまで通る音とは何なのでしょうか?  遠くにいても一音一音がはっきりと明瞭に聞こえてくる。いわゆる分離の良い音を奏でる楽器の方が遠達性に優れているように思えます。反対に和音の融合性が良い楽器はある意味、この音の分離があまり良くない場合が得てして多いようです。

手元でよく鳴る楽器は大抵は倍音の多い楽器です。逆にあまり鳴らないように感じる楽器は倍音が少なめで弾いていて楽しくはないように感じれらるかも知れません。演奏している際には手元からの音しか聞こえませんから離れている第三者にどのように聞こえるかはわかりづらいですね。第三者に弾いてもらって、離れたところで聴いてみるのも楽器を評価する場合に大切ですね。

次回は更に時代が進んでハウザー二世が健在であった頃の三世の初期の作品1984年製の楽器の裏を覗いてみたいと思います。

 

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